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【特別対談】
寺院とスタートアップが創る新しいご縁の形
2025年1月30日 / 特集記事

株式会社そうそう(以下 そうそう)と浄土宗西方寺(以下 西方寺)は、2023年11月に業務提携を結びました。
本対談では、西方寺住職・小山正晴氏(写真左)とそうそう代表取締役・日下上総(写真右)の2名に、業務提携に至った経緯や提携内容、今後の展望についてお話をお伺いしました。
※敬称略
ー 早速ですが、西方寺様についてご紹介いただけますか。
小山:西方寺は1622年に創建され、浄土宗の教えを基盤に地域とともに歩んできた寺院です。故人を偲び、自身の死生観と向き合う場としての役割を大切にし、人生の尊さや喜びを感じられる空間づくりを目指しています。長い歴史の中で、法要や行事を通じて檀家様との絆を深め、地域社会に根ざした活動を続けています。
近年では、時代の変化に合わせ、伝統を守りながらも新しい供養の形を模索する取り組みに力を入れています。

ー ありがとうございます。そんな西方寺様とそうそうが業務提携に至る最初のきっかけは何だったのでしょうか。
小山:実は元々、檀家様とのつながりについて課題意識を持っていました。特に、次世代の方々との接点が薄くなっていることに悩んでいました。そんな時、偶然「そうそう」さんと知り合い、彼らの技術がこの課題を解決できるのではないかと思いました。
日下:最初のきっかけは、共同創業者である森本が参加したお茶会で偶然小山さんとお会いしたことでした。その場で供養文化についての話題になり、小山さんのお話に共感しました。そこから具体的に協業のアイデアが生まれました。
ー 具体的に、どのような課題意識を持たれていたのでしょうか。
小山:時代の変化とともに、檀家様と寺のつながりが徐々に薄れてきていることを日々感じています。以前は多くの方がお墓参りなどのために度々寺を訪れていらっしゃいましたが、今はお墓参りをされる方の人数も頻度も減少しています。
それに伴い、檀家様一人ひとりの生きた証や思いを後世に残す術が、現状では十分に整備されていないことを課題に感じています。かつての寺は、地域の中心として家族や地域の歴史を記録し、人々とつながる役割を果たしていました。しかし、現代においてそのような機能が薄れ、想いが次世代に伝わりにくくなっていると感じます。
ー そうした課題に取り組むにあたり、スタートアップである「そうそう」と提携を決断した理由は何だったのでしょうか。
小山:こうした課題に取り組むには、伝統を大切にしつつ、現代の技術や考え方を柔軟に取り入れる必要があると思います。そうそうさんは、伝統文化に対して深い理解と敬意を持ち、デジタル技術で単に置き換えるのではなく、共に新しい価値を創造しようとする姿勢を持っていると感じました。
彼らの提案には、デジタル上での単なる記録や情報伝達を超え、檀家様の生きた軌跡を共有し、家族や地域と深いつながりを持つための仕組みを作れる可能性があると考えています。
また、そうそうさんは柔軟な発想力やスピード感を持って物事に取り組んでおり、その姿勢は非常に頼もしいです。私たち寺院が持っていない視点を取り入れることで、伝統を守りながらも革新的な供養文化を共に築いていけると考えています。

西方寺の小山住職
日下:ありがとうございます。私たちも小山さんの課題意識の高さと、伝統を大切にしながら新しい時代のニーズに応えたいという思いに非常に共感しました。寺院という歴史ある存在と、私たちのようなスタートアップが協力することで、供養文化の新しい形を模索できることに大きなやりがいを感じています。
ー 提携によりどのようなことができるのか教えてください。
日下:まず、私たちが構築しているエンディングプラットフォーム「SouSou」には生前から自身の想い出や写真などの生きた軌跡を残せる他、亡くなられたご先祖のページにも同様に生前のエピソードなどを残すことができます。
「SouSou」を活用することで、お寺様が檀家様とつながりを作ることができる他、檀家様もご先祖様の生きた軌跡を残し、後世に繋ぐことができるようになりました。デジタル上にデータを残すだけにとどまらず、ご縁を大切にする仏教思想にも繋がるサービスを提供することができたと考えています。
また、墓石や納骨堂にNFCを組み込み、スマートフォンをかざすだけで故人のデジタルページにアクセスできる仕組みを検討しています。これにより、お墓参りの際に改めて故人の生きた軌跡を意識し、想いを馳せることができるようになると考えています。

デジタルの力で、新しい「ご縁」や「供養」を形作っていく。
小山:これらの取り組みは、単にデジタル化を進めるだけではなく、寺と檀家様、現役世代とご先祖様、次世代との新しいつながりの形を生み出すものだと感じています。
ー 今後「そうそう」に期待することを教えてください。
小山:私たち寺院は、檀家様や地域社会と共に歩んできました。これからもその絆は変わりませんが、時代に合わせた変化も求められています。そうそうさんのように、伝統を理解しながら革新的な技術を取り入れるパートナーは非常に心強いです。これからも新しい供養の形を共に模索し、多くの方々の心に寄り添える取り組みを期待しています。
日下:ありがとうございます。引き続き小山さんと連携しながら、新しい価値を創造していけるよう努力してまいります。

残す人と残される人の「想い」をつなぐデジタル終活アプリ「SouSou」を正式にリリースしました。
※サービス紹介ページ:https://sousou-official.com/service-page
iOS及びAndroidのいずれにも対応しております。
以下のリンクボタンより各種ストアのインストールページにアクセスできます。
名称 | 西方寺(浄土宗寺院) |
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住職 | 小山正晴 |
所在地 | 豊島区西巣鴨4-8-43 |
WEBサイト | https://nishisugamo-saihoji.com/ |